
朝にお風呂掃除していて気がついたんだけど。
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どうしたの?

学校に通っている時って「放課後」になると教室の掃除をするよね!社会人になった途端に「掃除は朝にしましょう!」に変わるのはなんで?
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たしかに……
製造業とか飲食店など業務終了後に掃除をする業種もあるけど…
ほとんどの企業は業務前に掃除をするよね。
朝に掃除すると家も職場も頭の中もスッキリするし、充実した1日を送るために朝の掃除は大切というけれど……。
子供は、頭の中がスッキリしない状況で勉強をしているわけですよね。
このギャップ。前から不思議に感じていました。
なぜ学校と社会生活で、掃除の時間帯が違うのか調べてみました。
学校の掃除について

小学校で掃除する時間帯は昼食後か昼休み終了後が多く、中学校になると放課後が7割を占めます。
学校の掃除とは
■自分たちが使った場所をキレイにする
■作業と労働を教えるため
■健康の増進
■公共心の育成
■清潔を保つための育成
■責任感の育成
■協調性を高めるため
といったさまざまな考え方のもと掃除を取り入れています。
学習の場を「きれいにする」ことを通して「仕事をしてよかった」という満足感を味わ
引用元 埼玉県教育局東部教育事務所 給食と清掃の指導~学校生活の中で恒常的に行う教育活動
わせる機会でもあります。
ところが、児童生徒の立場からすれば「清掃の時間」と聞いただけで「やらされる」
という受動的な気持ちになりがちなものです。そこで、教師がまず心掛けることは、
「やらされる」という気持ちを「進んでやろう」とする気持ちに高めさせることを念
頭に置いて日々の清掃活動の指導に当たることです。
つまり時間帯ではなく、掃除は「教育の一環」として学んでいます。
今では朝や昼休みに掃除を取り入れている学校もあるようです。
誰でも「やりたくない」であろう掃除。
児童や生徒に「掃除とは?」を分かりやすく教えるために、1日の中で教室が汚くなる時間帯が「放課後」なのかもしれません。
なぜ企業は朝に掃除するのか?

日本って業務前に掃除する習慣が根付いていますよね。
とくにもうかっている会社ほど朝に掃除しているのだとか。
会社の「業績」に関わるのであれば、朝に掃除をした方がいいですよね。
経営者ほど「早起きして掃除している」とも聞きます。
伸びている企業や人気のお店は
■社内の雰囲気が明るい
■社内の備品・家具・資料が整理整頓されている
■清潔感と統一感がある
といった共通点があります。
はじめて予約したお店の掃除が行き届いておらず汚いとしたら……二度といきたいとは思いませんよね。
■職場がキレイになる
■仕事の効率が良くなる
■社員が成長する
■無駄がなくなる
■ゆとりをもてる
■掃除自体がストレス解消になる
といったこともあげられます。
また、1日10分だけ掃除することで幸福感・満足感・平静を保てるといいます。

たしかに掃除すると気分的にも気持ちがよくなるね
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汚い職場で働いていると、離職率は高いし社員同士もギクシャクしています。
職場の掃除ができない・嫌い=仕事ができないにつながり「信頼」も失うでしょう。
掃除が始まったのはいつから?

そもそも日本人が掃除を始めたのは「縄文時代」からといわれています。
このころには汚物やゴミを一カ所に集める習慣があったのではないかと推測されているようです。
平安時代になると「はねぼうき」や「棒雑巾」が登場します。
「はねぼうき」
鴨の羽で出来ているほうきのこと。現在では漫画家さんが、消しゴムのカスを取り除くための道具として使われています。
キーボードのホコリを取り除きたいときにも重宝する便利アイテムです。
わが家の場合、本物の鳥の羽でできているからか、はねぼうきを見つけると「鳥を捕まえたぞ!」と言わんばかりに猫が自慢してきます。
「棒雑巾」
30cmほどの横木に50cm程度の布を巻きつけたものとされています。
「クイックルワイパー」が大きくなったような感じでしょうか。
わが家も使っていますが、クイックルワイパーは本当に手軽に掃除ができるので便利です。
余談ですが「懐かしい掃除グッツ」も紹介します。
その名も「マツイ棒」です。
若い方は知らないと思いますが、狭い隙間など手を汚さずに掃除できる便利グッツとして人気がありました。懐かしいですね。
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割りばしに布が巻きついている掃除グッツだよ!
実際に掃除を取り入れていたのは貴族や宮殿だけで、一般人には普及していなかったようです。
一般人が「雑巾」を使うようになったのは「江戸時代」からです。
江戸時代にもなると、掃除が行き届いていない家は「だらしがない」とされていて、拭き掃除も一般に広がっていきます。
インドは掃除の重要性を悟った国なのに…

仏教はインドが発祥とされています。
インドは、「一心に掃除することで悟りにつながる」という思考がありました。
その思考が中国から日本へと持ちこまれ、掃除が重要視されるようになったといいます。

今のインドはゴミであふれかえっているよ!どうして?
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カースト制度の名残があるからと言われているんだよ!
インドは身分が4階級に分かれていて、就く仕事も決まっていました。
日本人なら当たり前のボランティア精神も存在しません。
掃除は「下位のカースト出身者がする」といった考えが残っているからなのです。
ゴミが落ちていても、トイレが汚れていても、掃除をしてはいけないのでしょう。
ではなぜ日本だけ掃除の文化が根付いているのでしょうか。
お寺の掃除との関係性

お寺の掃除といえば、早朝から長い廊下を雑巾がけする姿。

ハッキリといってキツイよ!ルンバでいいよ!今は水拭きできるタイプもあるし!
そもそも学校の起源は「寺子屋」が始まりとされています。
「寺子屋」の基盤となった場所は「お寺」です。
寺子屋は寺院で読み書きや計算を教えていました。
今でもお寺は「朝のおつとめ」として本堂の掃除や庭の習慣があります。
この掃除の習慣が今の学校に受け継がれたのではないでしょうか。
さらに明治時代になると法律で「汚物掃除法」が制定されます。
現在は清掃法施行に伴い廃止。
現在は「事務所衛生基準規則」という規則があります。
(清掃等の実施)
第十五条
事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 日常行う清掃のほか、大掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うこと。(労働者の清潔保持義務)
出典:事務所衛生基準規則( 昭和47年09月30日労働省令第43号)
第十六条
労働者は、事務所の清潔に注意し、廃棄物を定められた場所以外の場所にすてないようにしなければならない。
日常的に行う掃除のほかに半年に一回の大掃除など……。
つまり働いている以上は、職場を清潔にしなければいけない規則があるわけです。
来た時よりも美しく

遠足や修学旅行にいくたびに「来た時よりも美しく」というスローガンを聞きますよね。
この言葉はイギリス発祥のボーイスカウトが始まりとされています。
ボーイスカウトの父:ロバート・スティーブンソン・スミス・ベーデン=パウエルさんは「自分が最初に見た時よりも、世界を良い場所にすべく努力しよう」という言葉を残しています。
日本は高度成長期に入ると、公害汚染・自然破壊などが深刻に。
もし今の日本の川や海のヘドロがひどくて、山にもゴミがたくさんあって、空気もPM2.5だらけだったらどうでしょうか。
日本の文化も豊かな自然も何一つ残っていなかったとしたら……。
とても「日本は素晴らしい国!」とはいえないでしょう。
「来た時よりも美しく」と子供のころに教えられるのは……。
今の時代よりも、もっと「いい時代」を後世に残しましょう。という意味もあるようです。
最後に

学校は何かをした後に「キレイ」にしましょう。と教わります。
社会人になると「何かをする前もキレイにしましょう」と学ぶ機会が多くなるでしょう。
学校の掃除は放課後なのに、社会人になると業務前になる不思議。
学校教育と規則の違いによるのかもしれません。

まぁ……日本人がキレイ好きになった理由だけは分かったよ
学校で掃除の大切さは学ぶけど、時間帯までは教わりませんよね。
児童や生徒が掃除を「進んでやろう!」と思ってもらうためには、教室が一番汚れている放課後が分かりやすい……。
企業は日常の掃除や大掃除が規則により決められていて、残業もあるため朝の方が掃除をしやすいといった部分もあるのでしょうね。