猫の飼育数やトイレの環境によって異なりますが、少なくとも1カ月に1~2回はトイレの丸洗いが一般的です。
いざトイレ掃除をはじめると……
「猫のトイレ用洗剤は何が良いの?」
「洗剤を使っても独特な臭いがなかなか消えない」
「猫トイレはどこで洗うべきなの?」
と悩んだ経験はありませんか?
システムトイレも猫砂の処分やパーツの多さで、なかなかの重労働ではないでしょうか。
定期的にするからこそ、簡単に手入れしたいですよね。
今回は、猫を飼育している人に向けて、猫のトイレ掃除の頻度や使う洗剤について解説していきます。
著者の猫のトイレ事情
著者はオスとメスの2匹を飼育しています。
猫はウンチとオシッコを使い分ける傾向があり、トイレの数は「猫の数+1個以上」が理想的とされています。著者宅では人間よりも多い、4個もトイレを設置しています。
使用しているトイレは、システムトイレと呼ばれる二層式です。
上のトレイ(スノコ)はネコ砂を敷きつめウンチをしたら取り除きます。下のトレイにはペットシーツを敷き、オシッコを終えたらシーツごと取り換える仕組みです。
使用しているネコ砂は、ウッドチップタイプ。
天然木材の力で腐敗臭を抑えることはもちろん、燃やしてもダイオキシンが発生しないため、燃やすごみとして処分できます。
システムトイレは普段のお手入れが楽だニャ~
ウッドチップの猫砂は地球にも優しいんだね!
システムトイレは、オシッコをしたのか分かりにくいため、時間が経過すると独特の臭いを放っている場合もあります。オシッコを吸ったウッドチップも、長時間の使用で膨張してきます。
猫のトイレはオシッコで猫砂が膨張したり、臭いが気になったりするため、1カ月に1回を目安に丸洗いと猫砂の入れ替えをする必要があるのです。
猫のトイレが臭い理由
猫の臭いの元は、アミノ酸の一種である「フェリニン」という物質が原因とされています。
フェリニンは空気に触れると「チオール」と呼ばれる物質に変化し、あの独特の臭いを発するのです。
フェリニンの生産には、タンパク質のコーキシンと呼ばれる物質が関わっていると研究で報告されています。
今後はコーキシン阻害剤の開発に着目していきたいニャー
フェリニンとチオールは猫のオシッコだけに含まれている物質で、なわばりやフェロモンの役割を果たしていると考えられています。このため去勢していないオスメス猫に多く見られ、生後3カ月未満の子猫や去勢後の猫は低いことが分かっています。
著者の猫は避妊去勢手術済みです。
猫のオシッコは、仲間や敵を識別するために重要な役割を果たしていますが、独特な臭いは生活する上で切っても切り離せないものなのです。
猫のトイレ掃除で使える洗剤の選び方
猫のトイレを丸洗いするときに悩むのが洗剤ですよね。
基本的に猫が舐めても安心な天然由来の洗剤を選ぶと良いでしょう。
- 猫専用洗剤
- 重曹
- クエン酸
- お酢
- セスキ炭酸ソーダ
無着色で添加物不使用の洗剤であれば、猫のトイレ掃除も安心して使えますね。
重曹、クエン酸、お酢、セスキ炭酸ソーダなどは、漬け置きやスプレーボトルで作り置きする方法があります。
昔は汚れや臭いが落ちにくいとされてきましたが、現在は正しい使用量を守れば、従来の洗剤と変わりません。
猫のトイレ掃除に使えない洗剤とは
猫のトイレ掃除に使えない洗剤は、なじみのある洗剤ばかり。
- 中性洗剤
- 石けん
- お風呂用掃除洗剤
- トイレ用洗剤
- ボディーソープ
- シャンプー
- ハンドソープ
- 洗濯用洗剤
- 塩素系漂白剤
生活に欠かせない人用の洗剤は、香害や添加物により害があるため、避けるべきとされています。
猫は嗅覚がすぐれているため、花の香り、かんきつ系、アロマ系の香りを好みません。中性洗剤の中には香り付きのタイプも発売されています。
臭いを匂いで消したら駄目なんだニャ~
香りによって、体調不良や猫がトイレを使わなくなる可能性もあるので、必ず香料や添加物を含まない洗剤を選んでくださいね。
猫のトイレは臭いがなかなか消えない
天然由来の洗剤は猫に優しいと言え……
重曹やクエン酸を浴槽で漬け置きするのも抵抗がありますよね。さらに「スプレーボトルもない!」となれば、自宅にあるもので洗うしかありません。
面倒くさがりの著者は、猫に悪いと思いつつも台所用洗剤で洗っていました。
ただ洗剤を使ってもタオルで拭いたときに「ツーン」とした臭いが残っているんですよね。
僕のオシッコは臭いの?
猫のオシッコの臭いは独特だよね
台所用洗剤を使っても、猫のオシッコの臭いまでは消えないのが悩みでした。
定期的に洗うトイレは、自宅にあるもので簡単に安全に済ませたいと考えました。
猫のトイレ掃除で猫用シャンプーは使えるのか
著者は、年に1~2回程度、猫のシャンプーをするため、猫用シャンプーが3個あります。
洗い流さないシャンプー、泡で出るシャンプー、リンスインシャンプーなど……
購入しても1年に数回しか使わないため、中身が余ってしまう点が猫用シャンプーのデメリットです。
中には泡立ちや香りが苦手で、使わなくなってしまったシャンプーもあり、たまる一方でした。
猫用のシャンプーは、消費期限もあり製造月から3年以内といわれています。
猫用シャンプーにも消費期限があるんだね!
ふと……「猫用シャンプーでトイレを洗ってもいいのでは?」と思い使ってみることにしたのです。
猫用シャンプーでトイレ掃除している人は見かけないね~
著者の猫用シャンプーは、ホームセンターで購入した低刺激ふわふわ泡シャンプーです。
ポンプ式で泡で出てくるタイプですが、購入してから1年経過しているため、この猫用シャンプーを掃除用に使ってみました。
猫のトイレはどこで洗うべき?
著者は、自宅のお風呂場で洗っています。暖かい日は外で洗う場合もありますが、冬は寒いためお風呂場で洗います。
猫トイレを洗うときは、一度に洗わずに1個ほど予備として残しておきます。
トイレ掃除は、15~30分程度時間がかかります。トイレ掃除中に猫が用を足す可能性がありますので、必ず予備としてトイレを残しておきましょう。
猫のシステムトイレの掃除方法
1カ月ぶりの掃除ですが、ウンチばかりしているトイレは猫砂の量も半分です。
下のトレイはペットシーツを敷いていますが、やはり独特な臭いはあります。今回はオス猫のトイレを洗っていきます。
準備するもの
準備するもの
- ごみ袋
- シャベル
- 新聞紙かペットシーツ
- つまようじ(なければ歯間ブラシ)
- ゴム手袋
- 猫用シャンプー
- 柔らかいスポンジ1個
- フェイスタオル1枚
- 新鮮な猫砂
- 掃除機
猫トイレの洗い方
猫トイレの洗い方
1.ゴム手袋を装着します
2.新聞紙やペットシーツを敷くと床が汚れません
3.シャベルを使い猫砂を完全に取り除きます
4.ペットシーツを丸めて、ごみ袋に入れてください
5.すのこ部分にゴミがたまっている場合は、つまようじで取り除きます
6.トイレを泡立てやすくするためにシャワーで水洗いします
7.スポンジに猫用シャンプーをつけてください。
8.パーツを洗います
9.シャワーでよくすすいでください
10.タオルで拭きますが、目安としては1個であれば1枚で十分です
11.トイレ周辺の床を掃除機で奇麗にしましょう
12.新しい猫砂を敷きます
13.完了です(猫砂の深さは2cm程度でOK)
猫砂は、ごみ袋に直接入れるのではなく、新聞紙やペットシーツを活用すると臭いがこもりません。
システムトイレは猫用シャンプーで臭いが消えた
パーツを嗅いでみると、独特な「ツーン」とした臭いは消えました。猫用シャンプーは余り気味になりますよね。トイレ掃除に活用できればエコにつながります。
オシッコの臭いが消えたニャー!
また猫用シャンプーは、洗剤に含まれている界面活性剤の違いにより、石鹸系、石油系、アルコール系は泡立ちが良いとされています。値段も安いので手に入りやすいですが、猫の皮膚を考えると注意した方がいいでしょう。
逆に体に優しい、天然系、アミノ酸系、脂肪酸エステル系のシャンプーは、泡が立ちにくいとされています。現在は泡で出てくるタイプなど工夫もされています。値段は高くなりますが、猫の皮膚を考えると植物由来系のシャンプーはおすすめです。
猫用シャンプーも種類がたくさんあるんだね!
猫用シャンプーは、洗いあがりなど使ってみるまで分からない部分もありますよね。たとえ失敗したとしてもトイレ掃除に活用できるため、あれこれ考えなくて済みます。
猫のトイレ掃除で、臭いに悩んでいる飼い主さんは、余った猫用シャンプーも視野に入れてみてください。
ただし猫は強い香りを嫌うため、無香料か微香料タイプを選ぶと良いでしょう。
まとめ
システムトイレは、ウンチやオシッコの処理は楽ですが、準備するものや、パーツの多さで丸洗いが大変です。
猫のトイレは「ツン」とした独特な臭いを放つため、洗ってもなかなか消えずに悩みますよね。
独特な臭いで悩んでいる飼い主さんは、猫用シャンプーを使って手間を省きましょう。
トイレを嗅いでみましたが、独特な臭いが消えて無臭になりました。
猫用シャンプーで洗うときは、無香料か微香料タイプを選び、よくすすいでください。
シャワーがあるお風呂場で洗うと便利ですが、抵抗がある人は外で洗うと良いでしょう。