節分の豆まきは落花生派?汚い意味もある?ルーツや正しい豆まきも解説!

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2月3日は「節分」ですよね。「鬼は外、福は内」と豆をまく方も多いのではないでしょうか。

地域によって、節分に用いる豆の種類が異なるって知っていますか。

落花生を「だらしがない」や「汚い」と呼んでいる地域も。

そこで今回は、地域別の豆の種類を紹介します。

豆まきの起源や意味も解説していきますので、今年の節分に備えてしっかり準備しましょう。

目次

節分の豆まきで使う豆の種類

節分の豆まきに使用する豆は「落花生」と「大豆」の2種類。どの地域で「落花生」を用いているのでしょうか。

落花生エリア

みごとに真っ二つに分かれていますね。ということでおさらいです。

落花生エリア
  • 北海道
  • 東北地方
  • 新潟県
  • 宮崎県
  • 鹿児島県

節分の豆まきに落花生を使うのは、北海道、東北地方、新潟県、そして九州の一部の地域です。

かつては大豆を用いていたそうですが、時間の経過によって、落花生が大豆の代わりに使われるようになりました。

わが家の豆まきも落花生だよ!

落花生は炒ることはしないで、そのまま使用します。

大豆エリア

上記以外のエリアでは、「大豆」を用いることが多いようですね。

落花生の生産量1位の県は節分に落花生を使うのか?

ここで疑問なのが、落花生の生産が1位の県は、「節分に落花生を使っているのか」です。

落花生の生産量を表にしてまとめてみまいした。

順位都道府県構成比
1位千葉県83%
2位茨城県10%
参考:農林水産省

全国の落花生生産量は、千葉県が83%とぶっちぎりの1位。

千葉県の豆まきは「大豆」なのか「落花生」なのか気になりませんか。

千葉県の豆まきも大豆が一般的でしたが、最近では落花生を使った豆まきも人気だそうです。

千葉の落花生をもっと多くの人に味わってもらおうと、節分の時期に合わせて「落花生」イベントも開かれています。

初めに、今週の土曜日にイオン千葉ニュータウン店で「落花生の豆まきイベント」を開催いたします。来月3日の「節分の日」を迎えるに当たり、千葉県の特産品であり、全国の4分の3の生産量を誇る落花生を活用した豆まきを行います。当日は、私も参加し、千葉のおいしい落花生をPRさせていただきます。

引用元:知事定例記者会見(平成24年1月26日)概要/千葉県

節分の豆まきは落花生だと思っていたよ!

地域によって違うんだね!

大豆の生産量1位の県は節分に大豆を使うのか?

さらに疑問なのが大豆の生産量1位の県は、「節分に大豆を使用しているのか?」です。

大豆生産量を表にまとめてみました。

順位都道府県構成比
1位北海道28.9%
2位宮城県7.8%
3位佐賀県7.3%
参考:大豆生産量上位について:農林水産省

大豆は、とうふ、醬油や味噌に加工しているようです。

大豆生産量1位の北海道は落花生派なんだね!

落花生エリアは昭和30~40年代頃から、大豆の代わりに落花生を用いるようになったとか。高度成長期ですよね。この時期に何があったのでしょうか。

なぜ節分の豆まきに落花生をまくの?

節分は「大豆」が一般的だと思いますが、なぜ「落花生」を使う必要があるのでしょうか。

ここからは、節分に「落花生」を使う理由を解説していきます。

中国産の落花生が入ってきたため

落花生が広く使用されるようになった背景には、中国から大量の落花生が輸入されたことがあります。

日本は、昭和16年(1941年)に日本が戦時体制に移行すると、八街市を除く地域では落花生栽培が禁止されました。

戦後の昭和21年(1946年)に、食品としての需要が急増し、再び落花生の栽培が始まります。

しかし昭和40年代(1965年以降)に日本が高度経済成長を迎えると、農業分野でもより高い収入が求められるようになりました。

この結果、落花生栽培から他の野菜への転作や農地の改変が進み、結果的に落花生の作付面積が大きく減少したのです。

経済復興の過程にあった日本は、海外からの輸入に頼ることに。

まぁ…売る側としても買ってほしいしね……

中国産の落花生が大量に輸入されたことで、大豆の代用品として普及したようですね。

現在も日本で広く消費されている9割の落花生は、海外から輸入されています。

いくら輸入量が増えたからといって落花生をまく理由になるの?

やはり地域性が関係しているようだよ!

外にまいても雪の上で見つけやすいから

2月といえば雪。雪といえば2月というくらい、2月は雪の季節です。

節分では、まいた豆を拾い集めて食べる風習がありますよね。

この時期に、外に向かって「鬼は外!福は内!」と、大豆を使って豆まきしたらどうなるでしょう。

間違いなく見えません……

探すのに苦労します。

雪国で落花生を使用する一つの理由は、「雪の上で豆が目立ちやすい」という実用的な意味が込められているからです。

落花生であれば、雪の中でも見つけやすいですよね。

わが家も雪国。水田で大豆を作っていますが、節分は落花生はです

落花生は殻がついているので衛生的

落花生は、堅い殻によって覆われているのが特徴です。豆まきに落花生を使うと、殻が外部の汚れや細菌から中の豆を守ってくれます。

地面に落ちても、豆自体は殻に覆われているため、衛生的ですよね。

豆まきの後は、豆を拾って食べる風習がありますが、落花生の場合、殻を剥いてから中の豆を食べます。

拾って食べるときに、衛生面で大豆よりも安心感があります。

衛生的な部分で、落花生を用いるようになったとされています。

地域によってはで地元の特産品をPRできる

地元の特産品を節分に取り入れることで、地域経済の活性化にも寄与できます。

千葉県以外にも「落花生エリア」の中には、九州も含まれていますよね。

九州地方で落花生を豆まきに使う理由は、この地域が落花生の生産地だからです。

実は鹿児島県や宮崎県の一部でも落花生が生産されています。

生産量は千葉県ほどではないものの、地元の特産品として落花生を利用する文化が根付いているのです。

節分の豆まきに使った落花生は何個食べるの?

節分で年齢と同じ数(数え年)だけ大豆を食べる習慣がありますよね。

年齢の数(+1)だけ豆を食べると、その年は健康でいられるという言い伝えがあるよ!

落花生を節分で食べる際、1つの殻に通常2粒の豆が入っています。

落花生を食べる場合は、どうなるのでしょうか?

落花生を数えるときは、殻ごと1個として数えるのが一般的です。

例えば、30歳の場合は30個の殻なので60粒という計算です。

落花生は、約30粒で一膳分のご飯に相当するカロリーがあります。1日に摂取する落花生の量は20から30粒程度が適切な目安です。

さすがに30個も食べられないわ~

豆の数を10粒ごまかしたらダメ!

年齢の数だけ食べられない場合は?

年齢を重ねるうちに、どんどん落花生の数も増えていく。節分に年齢と同じ数の豆を食べることは大変だと思います。

食べ過ぎて具合が悪くなったら本末転倒!

そのような方には「福茶」がおすすめです。

「福茶」とは、3粒の福豆に、塩昆布、昆布、梅干し具にを加えたお茶のこと。

ポットから熱湯を注ぐだけで簡単に作れるため、おすすめの飲み物です。

正月や大みそかにも飲まれていて、正月の福茶を「大福茶」という。京都や関西地方の習慣。

もちろん落花生を加えて飲んでも、ご利益があるそうです。

市販の落花生は、炒った状態で販売されているので、殻をむくだけで使用できます。

落花生を「汚い」=「しょったれ豆」と呼ぶ人もいる

「しょったれ」とは新潟県の方言で「だらしがない」「汚い」という意味があります。

しょったれらっけ、物をなくすんだて!とか言うわね!

落花生は、殻をねじって薄皮をはいでから食べますよね。

食べるときに散らかってしまうから、「だらしがない」の方言でもある「しょったれ」で「しょったれ豆」という名前がついたんだとか。

食べる人が汚いって意味じゃないから安心してね!

60歳以降の人に、「しょったれ豆」といっても意味は通じると思います。

節分の豆まきに使った落花生の保存方法

落花生は、加工方法によって保存方法も異なっています。

落花生の加工方法
  • 乾燥落花生
  • 煎り落花生
  • 茹で落花生

乾燥落花生(生豆)の保存方法

乾燥落花生(生豆)とは、収穫したての落花生を乾燥させたものです。

油で揚げたり、ピーナッツバターや豆菓子などにも使われたりします。

  • 冷蔵保存: 半年~1年間可能。殻付きもしくは殻なしの乾燥落花生を密閉保存袋に入れ、冷蔵庫で保管します。
  • 冷凍保存: 1年間保存可能。新鮮な状態を長く維持するために、空気を抜いて密閉した保存袋で冷凍します。

煎り落花生の保存

煎り落花生とは、落花生の殻のまま専用の煎り機でじっくり煎って作る落花生です。

  • 開封前: 常温で賞味期限まで保存可能。
  • 開封後: 2週間~1カ月保存可能。
    空気を抜いて密閉した保存袋で保管してください。温度、酸素、湿気を避けることが鮮度維持のポイントです。冷凍保存するとより長持ちします。

茹で落花生の保存方法

生落花生は8~10月の期間限定です。節分の時期に掘りたての「生落花生」は販売されていません。すぐに茹でてから冷凍保存しています。

  • 冷凍ゆで落花生: 解凍後は1~2日以内に消費。自然解凍か電子レンジで解凍。
  • レトルトゆで落花生: 開封前は常温で賞味期限まで保存可能。開封後は速やかに食べることが推奨されています。

節分に豆まきする本当の意味は?

なぜ2月3日に豆まきをするようになったのでしょうか。ここからは節分の意味についてまとめてみました。

風邪を引かないようにするため

節分は立春の前日にあたる日で、「季節の変わり目」という意味があります。

季節が変わる時期は邪気が侵入しやすいとされ、新しい年を迎えるにあたって邪気を邪気を追い払い、健康や幸福を祈願することが由来とされています。

暦の上では「春」ですが、まだ冷え込みますよね。

季節の変わり目は体調不良に陥りやすく、ささいな風邪が重大な病気につがることもあります。

このような病魔を、昔の人々は鬼や疫病をもたらす鬼と見なし、恐れていました。

つまり節分の鬼は、体調を崩さないための祈願だったのです。

豆まきの手順

ここからは、「節分の豆まき」の手順について解説していきます。

STEP
福豆を準備する

炒った落花生や大豆を用意し、枡や三方に入れて神棚に供えておきます。

STEP
豆まきの時間

通常は20~22時に行います。家族が集まったら始めましょう。昼間でも構いません。

STEP
豆をまく人を決める

通常は家の主人が行いますが、年男、年女、厄年の人が行う場合もあります。

STEP
「鬼は外!福は内!」と叫ぶ

玄関や窓を開けてください。部屋の奥から「鬼は外!」と叫びながら豆をまいてください。

鬼が戻らないように、窓や戸を閉めてから室内に向かって「福は内!」とまきます。

奥の部屋から順にまいていき、最後は玄関で豆をまいて鬼を追い出します。

STEP
枡の持ち方

枡を胸の辺りで持ち、右手で種をまくようなイメージです。決して投げつけるような、まき方はしないでくださいね。

STEP
最後に豆を食べる

豆まきの後、厄よけのために、年齢より1つ多い数の豆(年取り豆)を食べます。食べきれない場合は、福茶(福豆3粒に昆布や梅干しを加えたお茶)を飲んでも構いません。

年男・年女は、満年齢が12の倍数(12・24・36・48・・・)になる年です。
ただし、誕生した年(0歳)は年男・年女とは呼びません。

年男・年女は、年神様の恩恵を受けやすいため、豆まき役になることが多いとされています。

節分は炒った豆を使うこと

炒った豆を使用するのは、芽が出てこないようにするためです。昔は、豆に出ると「凶事をもたらす」と恐れられていたそうです。

生の大豆は炒ってから使おう!

市販で売られている落花生は、時期的にも加工されたものが販売されています。

まとめ

今回は、節分の豆まきについて解説してきました。

大豆生産量一位の北海道は落花生。落花生生産量一位の千葉県は、ほぼ大豆を使っていることも判明しました。

北海道、東北、新潟県、宮崎県、鹿児島県などでは節分に落花生が使用されています。中国からの輸入の増加、雪上での視認性、衛生面、地元特産品のPRなどの理由で広まったようですね。

新潟県では、方言で汚いを意味する「しょったれ豆」と呼ぶそう。

節分は、季節の変わり目に邪気を追い払い、健康や幸福を祈願することにあります。今年の節分は、豆まきで鬼退治をしていきましょう。

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